The shape of voices

聲の形の簡素な感想です。
全然ネタバレではないけども。
















君に生きるのを手伝ってほしい。
生きるのを手伝ってほしいのは、自分にはないプラスのものをたくさん持っている人ではなく、自分と同じような欠落を抱えた人間だ。
石田も西宮も、自分自身の嫌さを受け入れられない。だけど、だからこそ、互いを受け入れられる。

逆に、上野は自分を肯定していく。自分の肯定や、承認から思考がスタートしている。
それはときに他人を傷つける。
漫画を読んだ時は、上野は嫌な人間だと思ったけど、映画を見ているときは、西宮にとってかなり示唆的な存在だな、と思い直した。
そういう力強い自己受容というのはとても大事だ。
しかし、同じ欠落がないから、石田は上野に惹かれることはない。
それが、上野のような存在の悲哀だろうか。